≪南牧村移転計画2004・復刻版≫ その④ 2004.03.20(日)

 

 

東京は寒いところですねぇ~。う~ぅ寒っ!

 古い民家の場合、一階床から二階梁・二階床部分までの高さが、かなり低くなっていることが多い。囲炉裏で燻され何十年もの年月をかけて柱・梁・二階床は真っ黒になり大黒柱などは黒光りさえしている。

表に面した四間以上はある日当たりのよい縁側には、よい日が当たるのだが、なにせ奥行きがあるため内部は日中でも薄暗いのだ。   
二階の東南側にもほぼ端から端まで開口されており、現在は閉められている雨戸を開け放つと大量の日差しを確保することができる。ただその光も、床にさえぎられ一階に届くことはない。

圧迫感のある一階。おまけに薄暗さが気になる・・・。

隊員はしばらく腕組みをして思案に暮れていたのだが、その翌日から行動は開始されることになった。    思い切った行動に出たのだ!   隊員の頭の中には、一階から見渡せる屋根を支える梁材・二階を突き抜けて伸びる大黒柱、開放感のある広い空間が描かれている。   

大きなカジヤ(バール)を手に二階に上がった隊員は、厚さ8分(24ミリ)はある松の床板材を一枚一枚剥しにかかったのである。   程なく二階の床の一部がはずされ、一階の様子が望めるようになってきた。
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一階に降りて今はずされた二階床があった箇所の真下に立ってみる。
胸のすくような開放感、その付近だけが明るくなった。思ったとおりの結果が得られた。   引き続き二階床の撤去作業が続き、二階周囲をぐるりと回廊のように床を残し、そのほかにも10坪ほどの空間を残して床材は撤去された。   その下地となっていた根太も撤去。梁だけを残して隊員の思いつき撤去作業は終了。    広々とした空間が出来上がった。

再び一階に下りてその開放感に大満足である。頭を抑えられているような圧迫感はそこにはなく、のびのびとした空間が広がっている。二階からは柔らかな明るさが一階全体にゆきわたり、薄暗い雰囲気が一掃されていた。

その日はかなり疲れた。晩酌に缶ビール一本とお酒をコップに二つほど引っ掛けて早々に寝袋にもぐりこんだ。

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翌日からは、一階の床をすべて撤去する作業に取り掛かる。   

一階床の状態はかなり悪い。奥の間は完全に床が抜け落ち、現場にたどり着くことさえ困難な状態。床の間のある八畳間も,隣の八畳間も下地が完全にやられているのが乗っただけですぐにわかる状態である。『先が思いやられる。』とはこのことだ。

最も状態の悪い、奥の変形11畳間から床を解体撤去しはじめる。   100年も前に建てられたのだから状態が悪いのは覚悟はしているのだが、床材はもはや強度という定義を持ち合わせていない様子で、まるで茶系の色をした発泡スチロールのようになっていた。

つつけば面白いように穴が開くし、とても軽いのだ。そのフカフカの床材を剥し下地を撤去してみると天然石の上に建てられた柱が姿を現してきた。ちょっと見た感じでは、とくに変わりなくまあそれなりに年数を感じる程度の、いかにも頑丈そうな柱材。   これがかなりの曲者だった。

隊員は『おぉっ!柱は大丈夫そうだなあ。』とつぶやきながら腰袋の玄翁(一般には金槌)で柱の根っこをひっぱたいてみたのだ。   本来ならコンコンと小気味よい槌音が響くはずなのだが、かえって来た槌音はブスッ!であった。   隊員の体内にめぐっている血液が心臓から下のほうに移動を開始。再度柱の根元をひっぱたく。
ズボッ!ズボッ!と鈍い音が返ってくる。
なおもひっぱたかれた柱の根元は、そのたびに鈍い音を立てながらスカスカの木屑を回りに飛び散らせ、挙句の果てには完全に石の上から距離を置き、宙ぶらりんの状態になっていた。
『なんてこった。』
隊員のやけくそとも聞こえるつぶやきが聞こえたような気がする。

 

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このページは、katajiyaが2008年4月26日 09:40に書いたブログ記事です。

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