≪南牧村移転計画2004・復刻版≫ その⑤ 2004.04.21(水) 

 

 

 すべての床を撤去し、下地となる根太・大引きもすべて撤去。
柱だけを残して一階床解体撤去は終了。   隊員はまず新しい床の規準となる水墨(水平墨)をそれぞれの柱に記していく。    

おおよそ見た目だけでも相当に水平が狂っているのは予測できてはいたのだが、実際に測ってみると半端な狂いかたではないのだ。   基準となる玄関框の横に立つ4寸5分の柱を±0とすると、向かい合わせに建つ栗材の8寸大黒柱で2寸6分のマイナス。最も狂いの大きかった奥の変形11畳間入り口の宙ぶらりん柱で、実に3寸2分ものマイナスとなっていたのだ。

すべての柱の状態をチェックし、狂いの状態を把握し終えた隊員は、しばらくその場に座り込んでしまった。   3寸2分といえばおよそ10センチである。本来水平でなくてはならない床の高さが10センチも違うのだから無理もない。

隊員 『外回りはいじくらないんだから、どうすっかなぁ~。』
    『もじって無理やり納めっかなぁ~。もじるったって3寸もあったんじゃもじりきれね~なぁ~。』
    
注:もじるとはねじるとか、斜めにするとか、そのような意味で使われている。(柴又地方の大工の間では。
   
 『まあ。とりあえず上げるだけ上げてみっか。』 

というわけで、隊員はジャッキアップして持ち上がりそうな柱を少しでも上げてみることにした。
悪友である松戸市在住の粟野君に頼み、大型ダンプで使用する通称ダルマと呼ばれている油圧ジャッキを2台購入。当然バッタ屋で、ただ同然の価格での購入である。    

週末、東京に戻った際にダルマを受け取って現場入りした隊員は、手始めに上がりそうな柱をジャッキアップしてゆく。   ビシビシッビシビシッ。鈍く大きな音を立てながらその柱は少しまた少しと上がってゆく。ダルマ恐るべしである。
こんな小さなボディーのどこに、これだけの力を隠し持っているのかと感心させられる。

これ以上持ち上げると他の部材に影響が出ると思われる一歩手前でやめて、腐ってなくなっている根元を切り落とし根継ぎの加工を施す。   ジャッキを緩めて柱一本終了である。    

ずいぶんと簡潔に書いてしまったが、柱一本の工程を終了するのに半日以上もかかるのだ。根継ぎの加工が意外と手間を食う。

それぞれ修復の必要な柱をジャッキアップして作業を進める。さすがに大黒柱だけはすべての部材と絡みがあるので、現状で修復をすることにした。
まず腐ってしまっている根元を愛用の玄翁(金槌)でひっぱたく。その後これでもかとばかりにカジヤ(バール)の先っぽで突っつき、腐っている部分を取り除いてゆく。やがてあの丈夫な栗の大黒柱根元は鉛筆の先のような姿になった。

 

daikokubasira nemoto.jpg

上の画像のような状態になる。

やがてこの大黒柱の根元は、四角く枠を回されて、コンクリートでガチガチに固められることになる。
ひとまず補修の必要な柱の作業を終え、またしばらくのあいだ柱としての役目を担ってもらうことにした。    
話は変わるが、これだけの建物のわりに大黒柱の寸法が少々小さいような気がする。栗材だからだろうか・・・。

数日後、柱だけを残して撤去されていた一階の床は、新たな床を張るための下地が組まれ、防腐剤のシャワーをたっぷりと浴びて根太と根太の間には断熱材をまとい床下地作業は終了となった。新たな床材には地元の材、杉材を使うことにする。

 

nikaqikara yukasitaji.jpg    

村内にある製材所を尋ねた隊員は、角刈りに白地下足袋を履き、目玉がクリクリのまるでわんぱく坊主がそのまんま親父になったような主人と床材の交渉に入る。   予算がない旨を伝えた隊員に、
『何とかしてやるよ~。うちで引き落としたやつで作りゃ~なんとかなるかなあ。』
ということで、床材は村内の製材所で作ってもらうことにした。   新規にフローリング仕上げにする予定の一階床分と、二階で少々使うことを考えひとまず30坪ばかり注文。                         

床材が出来上がるまでの間、前もって購入してあったタモの板材を愛車ハイエースの特注キャリアに積み込み、一時柴又に帰ることにする。柴又で床張りに必要な枠材、敷居・鴨居、框等の化粧材を加工してこなくてはならないのだ 。   かなりの重量となる。無事に柴又まで着けばよいのだが。

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このページは、katajiyaが2008年4月26日 11:03に書いたブログ記事です。

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