2010.04.22(木)
自宅前 薪小屋測候所寒暖計 9.0℃
自宅前 薪小屋測候所寒暖計 9.0℃
ぼんやりと目が覚めた時間には、すでにシトシトと雨音が聞こえ、母屋東側に突き出した下屋のトタン屋根、大きな蔵の入り口にかかる差し掛けのトタン屋根、母屋西側の建て出し部分のトタン屋根からはリズミカルな雨音。
徐々に雨脚が強くなってきているような気がします。
すでに明るくなっている外を見渡すと・・・何もかもが雨に煙る風景。一番近い裏山も上半分がすっかり煙ってなーんにも見えませんし、川沿いに続く山の連なりも今は真っ白く見えるだけでなーんにも見えません。
「雨に煙る南牧」といったところでしょうか。
おはようございます。
比較的あたたかな朝となった南牧村ですが、予報によりますとこれから降り続く雨と、上空を通過する寒気のせいで、気温は下がっていくようです。午後から夕方にかけて徐々に下がり、予想では3℃近くまで下がるとのことです。
生憎の天気となりました。
先日、納品・搬入をさせていただいた世田谷区の新築住宅。
大変こだわって業者を選び、念願の伝統工法によるマイホームをつくりあげた依頼主ご夫婦。
引越し作業がおこなわれて4日後に当たる日の搬入作業となり、まだまだ新居の中は引越しの荷物がいたるところに積み上げられ、これから少しづつ片付けられていくという状況です。
到着してすぐに目に付いたのは、その新居の工法が、外から見えているだけでもかなり手の込んだ、いわゆる伝統工法の手法を用いているということ。
日本建築ですから柱も梁も土台も、ほとんどが見える形で構造されており、いたるところに手間のかかる継ぎ手加工や仕口の加工が施され『すごいなぁ・・・。』と感心してしまうほどです。
いまどき、木製の玄関引き違い建具があつらえてあるお宅というのも珍しいものだと思いながら目を落とすと、なんと引き戸の敷居には栗の角材がそのまま跨ぎとして使われておりこれまたビックリです。
でもなんか・・・変なのです。
もうあと数年もすればご夫婦ともに現役を引退し、ゆっくりとした老後の人生を送るべく建てられた新居だろうと思うのですが、どうも・・・なんか・・・・変なのです。
先ほどの玄関建具の敷居も大きな栗の角材で跨ぎとして施工されており、まるで昔の民家のように敷居の五寸ほどの高さがそのまま内外に段差としてあらわれています。
ふと『今はいいけどだんだんとこの段差は億劫になってくるよなぁ・・・。』などと考えながら玄関に入るとそこには深い段差の上がり框。
無垢の桧をふんだんに使用した玄関周りは、上がり框も廊下の床もあつらえの下駄箱もすべて桧の無垢材が使われ、いやみなほどに細工を見せ付けるようなつくりとなっています。
なにもここまで仕事を見せようとしなくてもいいのではないかと思えるほどなのです。
気になり始めるといたるところに目が行くようになり、そこらじゅうの柱から突き出している、横架材のホゾが差し込まれた柱材とを固めるための込み栓と呼ばれる小さな部材や、柱を貫通させて飛び出しているホゾ先。
昔の建築ではよく使われていた工法ですが、金物による緊結が発達している現在では手間のかかる工法となりますし、それなりに高い技能が必要となりますので一般の建築で使われることはほとんどありません。まあ、上等仕事の部類です。
そこら中に、この手の上等仕事の細工のあとが飛び出し、足元にまで込み栓が飛び出してなんとも不自然と感じてしまうのです。
『それにしても、凝った造りをしてますね~。でもこの出っ張ってる奴なんか、生活するのには邪魔になりませんか?』とついつい口にしてしまった私。
ご自慢のマイホームにケチをつけるような発言をしてしまった私ですが、どう考えてもおかしいのです。
奥様からのお答えは、この問い掛けをきっかけに、堰を切ったようにはじまりました。
実はですね・・・。と切り出し始めた奥様は、まだ引っ越して4日目だというのにあらゆる箇所に生活するうえでの不都合を感じ始めていた様子です。
業者の選定のときに、伝統工法という謳い文句に惹かれて評判の業者を選定。それから工事契約に至るまでの経緯。
私からすればちょっと法外な、度重なる中途金の要求。
設計段階から施主の希望をないがしろにする伝統工法をひけらかす姿勢。
『この部屋にはこういう照明を希望しているのですが・・・。』という施主の希望も、『伝統工法には似合わない!』の一点張りで拒否。
『キッチンは流し台の隣に冷蔵庫を置きたいので、流し台はこのサイズのものを使いたい。』との希望も、伝統工法で作ってるんだからこんなところに冷蔵庫なんか置いてほしくない!』の一点張り。
『障子張りだと部屋の中が薄暗くなるので、せめて居間となるこの空間だけはカーテンにしたい。』という希望さえも、『伝統工法にカーテンはぜ~ったいつけないで欲しい。』の一点張りでとうとう障子の敷居・鴨居を無理矢理つけられてしまったり。
列挙すれば、まだまだ信じられないような施工側の横暴を聞かされ、実際にこの目で見てきたのですが、なんとも気の毒というか腹立たしいというか、施主側がこんなに我慢して堪えて建てられた住いなんて聞いたことがありません。
押入れの中まで京壁が塗り込められ、しかも出し入れする肝心の開口部横からは、例の構造材の突起物がまことに邪魔なかたちで飛び出しているのです。
なんともいやらしいほどに誇示している伝統工法を用いた上等仕事の住い。住む人の利便性や快適性をまったく無視したような傲慢な施工側のつくりにあきれるばかりの搬入作業となったのでした。
『縁側に簡単でいいので物干しぶら下げられるようなものを作って欲しい!』という、家を預かる主婦の当然の希望さえも『伝統工法の家に物干しをぶら下げるなんてあわないから、外に干すようにしてくれ。』と一蹴されたそうです。そんなバカな・・・、家人が気の毒です。
伝統工法は何様じゃ。

T.W.Benどの
たまにはいいこと書くね。
やっぱり家は質素だろうと贅を凝らしていようと、住む人が住み良いと思ってもらえるようなものが「いい家」なんだろうと思うよ。
伝統工法とやらにこだわりがあれば、事前に説明を尽くし、納得してもらえないなら仕事は請けない、といった姿勢ならともかく・・・(怒)!
『大改造!!劇的ビフォーアフター』を見た後とは、真反対の気持ちになりますね!
その家で毎日過ごす方の事を思うと気の毒で・・・。
100人いれば100通りの希望があり、1つとして同じものなど有り得ないと思います!
それを実現してこそ、職人、匠というものです!
やまねこどの
私もはじめは、そんなバカな話があるのか?と、大いに疑問でしたが、話を聞き進むにつれ、なによりも現場を事細かに確認させていただきましたので、どうやら本当の話のようだ、と感じるようになりました。
なんでも、施工業者は設計士兼大工の棟梁という立場の方らしく、『日本建築の伝統工法じゃ!頭がたかぁ~~い!』という考え方のようなのです。そういう人もいるかもしれません。
かたじ屋どの
<伝統工法>
東京の世田谷での伝統工法業者・・・施主の業者選定ミスとしか思えないが発注側の施主の意向がこれほど無視されることもあるのか?以前恐怖マンガ家の「楳図かずお」と言う人が自宅の立て直し時に強引に外壁を赤と白のストライプにし、ご近所からクレームが沢山でたというニュースがあった。これは施主(マンガ家)の意向に沿って施工したものだから施主があくまで強い。しかし、受注した業者のいいなりというのはどう考えてもおかしい。
<『自分で自分を褒めてあげたい』>
ご存じアトランタ五輪の女子マラソンで3位となった有森裕子選手のレース終了後のインタビューでの名言。先日の当地区の水道組合総会にて64名の出席者の前で組合トップが奥様に感謝状を贈呈した時は有森選手のこのセリフと同じ様な心境だったのだろう。感謝状の朗読時には目に涙をためていたという。「よく50年間俺はこの水道のために頑張った。」気持ちは分からないまでもないが場違いだ。歳は取りたくないし、世代交代を図らないといつまでもこういうことが続く。世代交代が必要なのは自民党だけではない。
「楳図かずお」のマンガにうなされたやまねこ